言うべきことを言う、口先だけ
talk the talk は、「言うべきことは言う、ちゃんと言う」といった意味を表す慣用句です。
talk は動詞で「話す、会話する」などの意味で、初級レベルで習う単語の一つですが、名詞としても「話し、話すこと」などの訳でも使われることがあります。
つまり、前の talk が動詞で、後の talk が名詞になっているというわけです。
これで最初の意味を覚え易くなるのではないでしょうか。
これはインフォーマルな口語表現なので、場面や状況などを考えて使う必要があります。
それでは、いくつかのシチュエーションでの使い方を見ていきましょう。
例文で確認
A: You should talk the talk. Jim always only thinks about slacking off.
言うべき時には言うべきだよ。ジムはいつも怠けることしか考えいないだから。
B: But he's a good person at his core.
でも、根はいい人なんだよね。
「根は」という部分は at his core の代わりに at heart という言い方もできます。
A: Jack always talks the talk.
ジャックはいつも口先だけだな。
B: Well, he is a-jack-of-all-trades in a way, haha.
まあ、ある意味、あいつは何でも広く浅くってとこなんだよ、ははっ。
前の talk は動詞なので、主語や時制によって例文のように変化します。
jack-of-all-trades は、「一つのことに優れた人よりも、専門ではないが色々なことができる」という良い意味と、「何でもやれる人は何事も中途半端でうまくこなせない」というような悪い意味でも用いられる慣用句です。
◆この語句に walk the walk という語句を付けると「有言実行」という意味になります。
A: Politicians rarely keep their commitments.
政治家って公約をめったに守らないよね。
B: They have to talk the talk and walk the walk.
言った事はやってもらわなくてはいけないわね。
walk は基本的な動詞として「歩く」という意味がありますが、名詞として「散歩」などの意味がありますよね。
walk the walk は「するべき事をする」という意味合いになるのですが、上記の意味からだけでは、うまく頭の中で整理できそうにありません。
したがってここでの walk は、「歩いて行動する」という感じで考えておきましょう。
つまり「行動すべき事を行動する」という感じです。
上記の表現は長いので次のように簡略的に言うことがよくあります。
A: I'm going to study 5 hours every day from tomorrow.
明日から毎日5時間勉強するつもりだよ。
B: Oh, Tom, please walk the talk.
あら、トム、有言実行でお願いね。
talk walk を使う順番が上記とは逆ですが、「言った事をする」ということですから、この順番になります。
talk the walk だと「やる事を言う」といったような意味になりますね。
◆さて、この他にも色々な言い方がありますので参考までに記載しておきます。
You need to walk it like you talk it, okay?
また、下記のものはほぼ日本語の直訳に近い表現です。
You need to practice what you preach, right?
practice 実行する、実践する
preach 説教する、説く