噂をすれば影 英語慣用句
speak of the devil は、「噂(うわさ)をすれば影」という意味で使われる慣用句です。
元々はこの後に and he shall/will appear という言葉が続くそうですが、会話では何事も短く言うのがごく普通なので、このように省略されています。
この表現の中の devil は「悪魔」のことで、この全文を直訳すると「悪魔の話をすると、悪魔が現れる」となります。
さらに日本語では「噂をすれば何とやら」みたいな言い方もするかと思います。
現代では悪魔ではありませんが、誰かの悪いうわさ話をしていると、その本人が偶然現れることって少なからずありますよね。
それでは会話の中でどのように使われるのか、具体的に例文の中で見ていきましょう。
例文で確認しよう
A: Ah, speak of the devil. There's Peter.
ああ、噂をすれば影だ。ピーターがきたぞ。
B: Keep this under wraps, okay? He will go mad if he knows this.
この事は内緒にしておいてね。彼が知ったら発狂するだろうからね。
wrap は、食べ物などを包んで保管する「ラップ」ですが、under wraps で「秘密にされた」という意味の慣用表現です。
◆ speak の代わりに talk を使うこともあります。
A: I hear Rucy was a terrible bully when she was in high school.
ルーシーは高校生の頃ひどいいじめっ子だったらしいよ。
B: Hey, stop! Talk of the devil and she appears.
おい、やめよう、うわさをすれば何とやらだぞ。
she appears の部分は上記の形だけではなく、女性ならこのようにも言えるでしょう。
そして、ここは will や shall を使わない言い方にしてみましたが、意味は同じです。
◆ speaking of the devil と言うこともたまにあるようです。
A: You know, Kerry and Judy have been having an affair for many years.
あのさあ、ケリーとジュディーはもう何年も不倫しているんだよ。
B: Speaking of the devil, here they comes.
うわさをすれば影よ。彼らが来たわよ。
Speaking of は「~と言えば」と、少し話題を変える時に使う表現でもあるので、次のように言うこともありますね。
A: Oh, speaking of affair, you two-timed me.
ああ、不倫と言えば、あなたは二股してたわね。
B: Sorry, but that's a done deal, eh?
ごめん、でもそれは終わったことだよね。
こういう場合は、前後関係が大事になるので、どういう会話の流れになっているのかということに注意しましょう。
a done deal は、問題となっていたものが解決したことなどを表現する時に使います。