無防備な人や物を表現する英語慣用句
a sitting duck とは、「座っている鴨(カモ)」ではなく、「無防備な人(物)」という意味で使われます。
日本語でも、簡単に餌食になる人のことを「カモ」と言いますから、これは英語との共通点とも言えますね。
この語源としては、鴨は愚かで捕まえやすいといったところから来ているようです。
確かに、カラスと比べるとその知能は劣っているように思えますが、鴨よりも劣っている鳥はたくさんいると思います。
sitting は人間のように「座っている」と言うことではなく、水に静かに浮かんでいるということですが、普通に近づけばすぐに逃げていきますよね。
餌をやれば簡単には近づいてくるので、銃などを持った狩人にとっては「無防備な獲物」となるのは確かでしょう。
それでは、例文で使い方を見ながら覚えていきましょう。。
例文で確認しましょう
A: Why do you guys aways ask Takeshi to join mahjong?
どうしてあなたたちはいつもタケシをマージャンに誘うよね。
B: You know, he is a sitting duck. He has a lot of money to spare.
あのな、あいつはいいカモなんだよ。余計な金もいっぱい持ってるし。
duck が「鴨」という意味なので、基本的に a という冠詞が付きます。
最後の spare は「予備の、余分な」などの意味があります。
◆ a が付くということは、もちろん複数形にもなります。
A: I think the computers in local bank are sitting ducks for foreign hackers.
地方銀行のコンピュータは海外のハッカーにとっては無防備だと思うよ。
B: It means that they make light of the reality.
現実を甘く見ているということだね。
be動詞の後に sitting が続くので、一見、進行形のように見えますが、この慣用句を知っていれば問題なく理解できるかと思います。
make light of は「~を軽視する」ということですが、 light の反対の heavy を使う、make heavy weather
of という言い方があります。
この中の weather は「天気、天候」という意味なので、直訳だと「~を悪天候にする」というような感じになり、どういう意味なのかはっきりしません。
実は、これは「~を大げさに考え過ぎる」という意味になります。
◆「騙されやすい人、標的」ということでは pigeon「ハト」という単語も同じような意味で使われることがありますが、これには sitting
は付けません。
慣用句を使わない言い方だと easy prey という言い方もできますが、prey[préi] の代わりに target でも良いです。
A: You'll be an easy prey/target if you wear such shiny jewels in the city.
街の中でそんなキラキラした宝石を付けていたら格好の標的になるだろうね。
B: These are fake ones. We are running a sting (operation).
これは偽物なんだよ。おとり捜査をやっているんだ。
sting はフォーマな表現で「おとり捜査」という意味があります。したがって、ここでは operation が無くても通じます。