取り計らう、面倒を見る、などの意味を英語で表現する
see to it という語句も、これだけではなんだかよく分からないことになっていると思います。
なぜ「取り計らう、面倒を見る」といったような意味になるのでしょうか。
実は see だけでも、こういった意味として使うことがあるのです。
したがって to it が省略されることがあります。
つまり see には「見る、会う」以外の意味がたくさんあるということですね。
それでは、例文で使い方を見ながら覚えていきましょう。。
例文で確認しましょう
A: See to it that you keep yourself always neat and tidy, okay?
身なりはいつもきちっとしておくようにね、わかった。
B: Okay, I will.
わかったよ、そうするよ。
see to it の後は、この例文のように that でつなぐことが多く、ここでは「気を配っておきなさい、注意をしておきなさい」のような感じで訳しても良いですよね。
neat and tidy も一つの塊としてよく使われる慣用語句です。
You should be neat and tidy. としても、同じような内容を伝えられるでしょう。
A:Could you prepare dinner at eight tonight, please?
今夜の夕食は8時に用意して頂けますか。
B: We will see to it, sir.
そのように手配いたします。
ホテルなどの宿泊先で、このような会話があるかも知れませんよ。
A: See that this work is finished by tomorrow.
この仕事が明日までに終わるように責任をもってやって下さいね。
B: Oh, that's a tall order.
あ~、それは難しい注文です。
このように to it を言わない場合もありますが、内容は同じです。
また that より後ろは、この例文のように、未来の事であっても未来形にして言わないのが普通です。
a tall order も慣用句で「難しい注文、無理難題」という意味です。
A: Can you see to it that you pick us up at the station?
車で駅に迎えに来るようにして下さいね。
B: Well, I'm not sure. My car is a little bit shot.
え~と、どうですかね。私の車は少しガタがきてるから。
疑問文の形であっても、少し弱めの命令文のようにも使えます。
shot は「ぼろぼろの、いかれた、がたがきて」というような意味もあります。
さて、to it が付いたイディオム的なものは他にもたくさんあります。
Jump to it!
「すぐに取りかかりなさい。」
Jump だけにすると「跳べ、ジャンプしろ」といった意味になってしまうでしょうね。
Nothing to it!
「そんなのは簡単なことだ。」
Nothing だけにしても、また、That's nothing. としても同じことで、会話の流れの中では「なんでもないことだ。お安いことだ。」と言う意味にもなります。
また、have a nice ring to it という表現もあり、「良い響きがある」という意味で使われます。
これも to it を省略していうこともありますが、響きが良いので省略せずに使われることの方が多いでしょう。
A:Your name has a nice ring to it.
君の名前は良い響きだね。
B: It was named after a comic hero.
漫画のヒーロの名前から取って付けられたんだよ。
be named after は「~にちなんで名づけられる」という熟語ですね。
★さて、ここまでを総合してみると、この to it は、その前にある語句を強調するもの、飾り的なもの、またそれがなければ成り立たないといったような場合があるようです。
to it を取って、意味が成り立たないものは、イディオムとして固まっている度合いが高いとも言えるでしょう。