裏で手を回すという意味を英語の慣用句で表現
pull some strings は、「陰で糸を引く、裏から手を回す」というような意味で使われる慣用句です。
このイディオムの由来は、操り人形を操るところからきています。
ご存知のように、操り人形は人間が上から糸を操りながら人形を動かしますよね。
このように、糸を使って他の者が操作するということを覚えておけば、記憶にも残りやすと思います。
このイディオムの間の some を省略したり他の語句に変えたりすることもあります。
もちろん直訳的に「糸(紐)を引っ張る」という意味でも使うことは可能です。
それでは会話文の中でその使い方をみていきましょう。
例文で確認しましょう
A: I can't believe Dave got the position in the company.
デイブが会社でその役職を貰えたのが信じられないよ。
B: Maybe someone in the human resources department pulled (some) strings, I guess.
たぶん、人事課の誰かが裏から手を回したんだろうね。
この some は省略しても構いません。
the human resources department 人事課
A: I want to get the ice skating ticket at any price.
どうしてもこのアイススケートのチケットを手に入れたいんだよ。
B: Can't you pull any strings to get one, huh?
コネを利用することはできないのかな。
at any price 何としても
これは疑問文なので some ではなく any にしました。
A: I wonder if James will be charged with insider traiding.
ジェイムスはインサイダー取引で告発されるだろうか。
B: Most of us think that he'll pull a few strings with his father who is a diet member.
彼は国会議員の父親のコネを使うと我々の殆どは思っているよ。
strings with として、その後ろに「人」を表す単語を付けると「~の力(コネ)を利用する」という感じで使うことができます。
strings の代わりに wires(ワイヤー) を使うこともあります。
A: I heard that the shady man has been chosen for the chife referee of
the final.
あの怪しげな奴が決勝戦の主審に選ばれたらしいね。
B: Do you know who was pulling wires?
誰が陰で糸を引いていたか知っているかい。
※ shady(シェイディー/怪しい)
pull が動詞なので、過去形や進行形などにすることもできますね。
「コネを使う」と「裏から手を回す」などの言い方は少しニュアンスの違うこともあるんで、臨機応変に訳を付けていきましょう。
この慣用句の英語での説明は、英英辞典では use influence with someone などのようになっています。
influence(影響力)という少し難しい単語がありますが、知っていればこのように言っても良いでしょう。