義務や苦境などから免れるなどの意味を表す英語慣用句
off the hook の hook は、物を掛けたり吊るしたりする留め金などのことで、フックという言い方も普通ですね。
したがって、直訳的には「フックから外れて」などのようになりますが、be動詞や一般動詞を伴って、「重荷から逃れる」や「義務や責任から逃れる/解放する」などの意味で慣用句として使われることがあります。
もちろん上記のような直訳的な意味でも使われます。
それでは、この語句を中心にその他の類似した表現の使い方も、例文等を使ってみていきましょう。
例文で確認
A: Shall I ask him to take your shift
彼に勤務シフトを交代してくれるように頼んであげようか。
B: Thank you, I'm off the hook.
ありがとう。助かったよ。
フックとかに体が引っかかっていると身動きが取れませんよね。だからフックから外れると解放されてホットしますよね。そんな風に覚えてみたらどうでしょう。
さて shift は日本語にもなっていますし、「勤務」を表す単語が他になくても「勤務シフト」と訳せます。
let や get などの動詞を使って、動詞+off the hook などの形でも表現できます。
A: Why did you quit the job?
どうしてその仕事を辞めたの。
B: We recived a lot of complaints from customers, so I wanted to get off the hook.
客からの苦情が多くて、肩の荷をおろしたかったんだよ。
「苦情」は claim(クレーム)としがちですが、英語では complaint にしなければちょっと意味がずれてきます。
complaint「苦情」は、動詞 complain「苦情を言う」 の名詞形です。
これに someone を間に入れて、動詞+someone off the hook とかにもできます。
A: I'm going to tell Nancy about my love affair honestly.
ナンシーには浮気のことを正直に話すつもりだよ。
B:Oh no. I'm afraid she won't let you off the hook.
あ~あ、残念ながら許してもらえないだろうね。
love affair は「愛の出来事」ということで「浮気」となりますが、affair だけでも「浮気、不倫」の意味にもなります。
その他に「とても素晴らしい」などの意味でも使われることがあります。
A: The classical concert was off the hook. I think you should've come with me.
あのクラシックコンサートは本当に良かったよ。お前も来た方がよかったと思うよ。
B: Oh, was it? What a shame!
ほ~そうなの。そりゃ残念だったな。
ここでは was it は A の最初の文を受けた形になっています。
つまり、the classical concert が主語で2回目からは it にできますね。そして was が動詞なので、その順番を変えているだけです。
ところで音楽のクラシックは classic ではなく classical とします。
classic は「伝統的な」や「古典的な」などの意味になるので注意しておきましょう。