人に注意を喚起する時の英語慣用表現
hair splitting の hair は「髪の毛」でほとんどの人が知っているいますが splitting は split が ing形になったもので、「割く、分かれる」などの意味を持つ単語です。
これを split hair とすると、「髪の毛を割く」などのような意味になりますが、髪の毛はあまりにも細いので、簡単には割けませんよね。
つまり、そんなできそうもない事に一生懸命になる、といような感じから「細かい事にこだわる、どうでもよい話を論じる」などの意味で使われるようになった感じです。
その他「理屈をこねる、屁理屈を言う」などの意味でも用いられるので、前後関係に留意しましょう。
例文で確認しましょう
◆名詞として使う例
A: The communist nation is always telling tons of lies, isn't it?
この共産主義国家はいつもたくさんの嘘を付いているわね。
B: Hair-splitting is their common practice.
屁理屈をつけるのがあいつらの常套(じょうとう)手段なんだよ。
一つの単語として用いられるので、通常はハイフンで結ばれます。
◆次のように形容詞としても使えます。
A: What you're saying seems like a hair-splitting matter.
君の言っている事はどうでもいいような問題に思えるな。
B: No, it's a matter of life and death to me.
違うよ、僕にとっては生きるか死ぬかの問題なんだ。
「生きるか死ぬか」部分は life or death とすることもあり、どちらでも良いでしょう。
◆順番を変えると split を動詞として利用することもできます。
A: I wonder if I should tell my son not to play smartphone games too much.
息子にはスマホゲームはあまりしないように言った方が良いかしら。
B: You shouldn't split hairs too much. I don't think we have to worry about him.
あまり小言は言わないほうが良いよ。あの子のことはそんなに心配しなくても良いと思うから。
この場合は hairs と、複数形にすることが普通で、あまり split hair とは言わないように思います。
英英辞典では to pay too much attention to small differences and unimportant details
などと説明されています。
◆直訳的に「髪をかき分ける、髪をかきむしる」など、そのままの意味でも使えます。
Jonathan splitted hairs when he found his business turned into fiasco.
ジョナサンは自分の事業が大失敗に終わってしまったと分かると髪をかきむしった。
◆「細かい事にこだわる人」のことを hairsplitter と呼ぶこともあります。
My boss is a guaranteed hairsplitter.
俺の上司は折り紙付きの細かい事にうるさい奴さ。