物事がうまく行かない、良くない結果になることを表現する
go south はそのままの意味として「南に行く」となり、「南下する」という意味でも使います。
しかしながら、これでは普通過ぎて面白くありませんね。
実は、これは「失敗する、悪化する」などの意味で使われる慣用句になっているのです。
北半球に住む人たちにとって、地図では north が「上」で、south が「下」と考えるのが一般的ですよね。
そういったところから、下に行くということはアメリカの先住民にとって、死を意味していたという言い伝えもあるようです。
それでは、例文を使ってこの慣用句の使い方を見ていきましょう。
例文で確認しよう
A: You don't talk with your husband at all these days, do you?
この頃は全くご主人と話をしないんでしょ。
B: I think our relationship began to go south last year.
私たちの関係は去年おかしくなり始めたのよ。
この例文では「悪化する」という意味で、「おかしくなる」と訳してみました。
A: It seems like the political party's approval ratings are going south.
その政党の支持率が低下しているみたいね。
B: There have been some scandals in the party during the past two weeks.
これまでの2週間の間に、党の中でいろいろとスキャンダルがあったからね。
この例文中では「(支持率)が低下している」という進行形にして使ってみました。
approval ratings「支持率」は、 support rate/ratings などの言い方もできます。
A: The stock price went south again.
株価がまた暴落したね。
B: But mine is rising little by little.
でも私のは少しずつ上がって行っているわよ。
この例文のように go south は、経済関連の話の中で使われることが多いようです。
◆方向を表現する意味で、もちろん使えます。
A: You really hate the cold.
君は本当に寒いのって嫌いなんだね。
B: Yeah, I want to go south and live there for the rest of my life.
だよ、残りの人生は南の方に行ってそこに住みたいんだ。
この例文では、直訳で「南下する」という意味合いで使っています。
この慣用句も、その前後関係がはっきりしない場合、混同することがあるかも知れませんね。
ところで go south はあっても go north という言い方はないようなのですが、「うまく行く」という意味でジョーク的に言うことは可能でしょう。
ただし、その際にはチョット説明が必要かもしれません。
◆方角を使った慣用句は他にもあります。
go west には「ダメになる、死ぬ」などの意味があります。
I think a cheap smartwatch like that will go west soon.
「そんな安物のスマートウォッチなんかすぐにダメになる思うよ。」
人であれば「死ぬ」ですが、物であれば「故障する、いかれる」などの訳もできるでしょう。
スマートウォッチは、2語で smart watch とすることもできます。