親切に必要な単語に注意しよう
マーティンはお年寄りにとても親切だから、私はそういうところが好きなの。
レベル1
■Martin is very kind old people, so I like that place.
Martin は、マーティンやマーチン、マルチンなど、日本語ではいろいろな表記があるようですが、やはりマーティンが一番良いような気がします。
さて、この英文においては、前半の部分はネイティブにもあまり問題なく伝わるでしょうが、後半はかなり問題がありそうです。
「そういうところ」を such a place とした方もいるかも知れませんね。これだとまさにそのまま、直訳してしまったということになりそうです。
最も問題なのは place という単語の使い方です。
これは、特に地理的または物理的な「場所」を表す単語ですから、こういう使い方にはなじみません。簡単に言うと、建物とか土地とかといったものが対象になります。
また、place は仕事上の「地位」とか「身分」などを表す時にも使われますが、このサイトの趣旨から、こういった使い方をここで覚える必要はあまりないでしょう。
この例題では「ところ」という日本語を、それらしく訳してしまったのが大きな問題です。
それから kind の後ろにも to という単語(前置詞)が必要ですね。
これは、「kind to+人」で「~に親切な」というように覚えておきましょう。
レベル2
さて、「ところ」という言葉を「部分」と置き換えて、次のようにしてみるのも一つの手ではあります。
■Martin is very kind to old people, so I like that his part.
しかし、このような言い方にも少し問題があります。それは、その順番や不足している単語があるからです。
まず、 that や this, the などが his や her, my などを修飾するような順番で言ったり使われたりすることはありません。
例えば次のような英文です。
「僕はあの彼の新しい車が気に入っているよ。」
× I like that his new car.
〇 I like that new car of his.
特に「あの」という言葉を気にする必要が無ければ、I like his new car. とするのが一番普通ですよね。
最初に戻ってみましょう。
つまり、ここで好きなのは彼(マーティン)なのですから、迷った時には簡単な単語で済ますのも一つの手です。that place というまずい部分を
him に直してその場をしのぐことも出来ます。
■Martin is very kind to old people, so I like him.
これで一応は、文法的に間違ったところは無くなりました。しかし、ニュアンスというか、自分の言いたい事は、それにできるだけ近づけたいものですね。
レベル3
文法的に間違いが無くても、それをネイティブ並みに伝えるのは当然に簡単な事ではありません。
さて、それでは「そういうところ」とはどのように考えれば良いでしょうか。
曖昧な日本語を、もう少しよく考えてみる必要が有りますが、これを「彼のその部分」などのように考えられればうまくいくと思います。
これを英語にすると I like that part of him. という形になります。
ただ、これよりももっと簡単に次のように言いこともできます。
■Martin is very kind to old people, so I like that about him.
これは直訳で「彼におけるそれ」となりますが、英語らしい簡単な表現です。
ところで、この英文は2つの文で出来ていますが、これを次のように1つの英文にすることも出来ます。
■Martin is so kind to old people that I like that about him.
これは、「so ~ that ... 」で「とても~なので・・・だ」という中学で習う文法の1つですから、それほど難しくないので、覚えておけば便利な表現ですね。
注意したのは so の部分を very にしてはいけないということです。ついつい very にしてしまう人もいますから、何度も読んだり書いたりして練習してみて下さい。
もう一つ注意をしたいのは「お年寄り」という英語の表記です。これは old people でもちろん通じるのですが、現在は平均寿命も延びていますし、60代や70代くらいの人でも元気よく働いたりしている方も多いですよね。
そういう人たちまで old people と呼んだりすると、失礼に思われる場合もあります。
そこで、これを older people とすると少し響きが良くなったりします。つまり、「少し歳をとっている方達」という感じになるということです。
60代くらいの人であれば、seniors や senior citizens(シニア・シチズン)と呼ぶことも出来るでしょう。
高齢者の人たちに対しても、丁寧に言いたい時には elderly people や the elderly といった言い方があります。