英語で、~せざるを得ない、を表現する
can't help の後に動詞ing や、but などを付けることによって、「~せざるを得ない、つい~してしまう」などの意味で使える表現になります。
これを過去形で言う場合には can't を couldn't にします。
help は大体において「助ける」という意味で使っていると思いますが、「避ける、防ぐ」というような意味で使われることもあるので、覚えておきましょう。
比較的よく使われる決まり文句の一つだと思います。
例文で確認
A: Hey, what's so funny?
ねえ、何がそんなにおかしいの。
B: Look at his fase. You can't help laughing, can you?
彼の顔を見てよ。笑っちゃうでしょ。
日本語の表現は豊かなので、映画の翻訳は別としても、どのように訳を付けるかは、かなり自由度があると思います。
そこでここは「笑わずにはいられないでしょ。」→「笑っちゃうでしょ。」としました。
英語の場合にも、ここは You can't help but laugh, can you? と言えたりするわけです。
どちらも同じ意味なので、どちらを使うかは個人の自由だし、その人の使い慣れた言い方になります。
ところで「~せざるを得ない」という言い方に対応できる英語は、have no (other) choise but to, や there is
no other way (but) to, など他にもあります。
A: That strong earthquake collapsed this bridge last month.
「先月のあの強い地震でこの橋は落ちたのね。」
B: So I think we have no other choice but to go straight this road.
「じゃあ、この道を真っ直ぐ行かざるを得ないよね。」
ところで、「仕方がない」という意味で It can't be helped. や I can't help it. などのフレーズを多用することがありますが、何でもかんでもこれで済ませることには問題があります。
次の例では、子供がおもちゃで遊んでいて忙しいから、今は片付けられない、というように言い訳をしている場面です。
A: Tomy, your room is a mess. Clear it up now.
「あなたの部屋は散らかってるわね。片付けなさい。」
B: I can't help it. I'm playing with my Pikachu.
「しょうがないでしょ。ピカチュウと遊んでるんだから。」
この場合には、ただ子供がわがままを言って、片付けたくないと言っているわけです。
日本語のやり取りとしては普通でしょうけれど、英語的には少し問題があるかもです。
この場合、やろうと思えばできるんですから No, I don't want to. などと言うことがあるかも知れません。
小さな子どもだったら No way.「いやだよ」みたいに言い返してくるかも知れません。
●次のような状況なら全く問題ありません。
A: You are always eating only sweets, aren't you?
君はいつも甘い物ばかり食べているよね。
B:Well, I can't help it. I do like them so much.
ああ、だって好きなんだから仕方ないよ。
次の例では、まさに自分ではどうにもならない状況を表現しています。
A: Why were you late for work this morning?
どうして今朝は仕事に遅れて来たんだい。
B: On the way here, I had a small traffic accident.
通勤の途中でね、ちょっとした事故にあったんだよ。
A: Oh, it couldn't be helped.
じゃあ、仕方がなかったな。
自分ではコントロール不可能な事などに対して使われるのが普通です。
これは It can't be helped. が過去形になって It couldn't be helped. となっています。
時には、日本語の訳として「思わず~してしまう」という感じでも使えます。
I couldn't help but say so.
「思わずそう言ってしまったんだよ。」